『休日になったら、どこまでいっても高速料金が1,000円!』
これがうたい文句。 マスコミも盛んに持ち上げるが、はたして。 もっぱらの懸念は、当面の料金二重徴収と、料金体系の複雑化。 大都市近郊をはさんだ走行だと、その両側でそれぞれに1,000円が徴収される。 しかも、国交省は「さかのぼって通行料を返還する措置は考えていない」とのこと。 ETC制度でやるのだから、後決済で精算できそうなものだが、現状での徴収システム改修さえ間に合わないのにこれ以上仕事を増やすことは出来ないということか。 さらに、2005年秋の民営化以降、高速道路各社が打ち出した割引制度に加えての今回の措置となるため、割引の複雑化は避けられない。 利用する時間帯や区間によって、かなりの料金パターンとなるケースも続出している。 普及率27パーセントともいわれるETC限定の割引に、どこまで経済効果があるのか、政府の算段どおりには受け取ることが出来ない。 (※直接関係はないが、ETC制度にしても、クレジット方式でしか精算できないのもそのひとつ。 デビット式やチャージ式も兼用にしなかったのは、なにか理由があるのではないかと勘ぐってしまう) 最大の問題は、財源。 5,000億円のツケは、将来からの借金(※国債返済分の横取り。ついでにいえば、「埋蔵金」などとマイルドな表現にするからことの重大さが薄らぐ。「タクシー居酒屋」の時と同じ。あれも居酒屋にしたのがいけないのではなく、現金授受が問題だったのだが、言葉にはぐらかされ問題の本質を見失った)だし、すでに実施している割引制度も10年間で2兆5,000億円もの税金が使われる。 道路建設費も含め、我々かもしくは子供世代が背負わされることになる。 また、他の交通機関への減収影響、道路渋滞なども懸念される。 平日3割引は運送業界の輸送経費に好転になるというが、本当の景気対策ならば、輸送トラックへこそ一律1,000円を適用するべきであり、普通車カテゴリーに小型トラックも含まれるものの、大型トラックの輸送力の比ではない。 さらに、マスコミはほとんど伝えないが、環境への悪影響も無視できないはずだ。 CO2削減へ厳しい規制を課さねばならない状況であり、その主たる排出源は自動車だと言っておきながら、今回の措置は、自動車利用を増やすことによるCO2排出量増加というエコ推進国家にあるまじき愚策と言っても過言ではない。 カーシェアリング普及の原資とするなど方法はあったはずであり、自動車関連産業ありきのこの政策は、時代遅れのばらまき施策以外のなにものでもない。 定額給付金にしろ、高速1,000円にしろ、目先のニンジンをぶら下げてでもなんとかしたいという政府の方針はわかるが、景気対策の根源はそこではなく自動車関連産業主体の経済構造が問題なのであり、やがて来るであろう「日本版サブプライム問題」(住宅ローン優遇が終焉して破綻者増加)も含めて、中期的な経済構造改革が必要なのは、今さら私が述べるまでもなく施政者にはおわかりのことと存ずる。 参考: 続々・taromaruのつぶやき独り言 | 高速料金複雑化
by torimie
| 2009-03-17 08:16
| クルマ
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